看護業務

【体験談】看護師がコロナ「疑い」の患者さんを担当してつらかったこと8つ

こんにちは、たかひろです。

今回はそれほど読者目線の記事ではありません。
タイトルの通り、コロナ疑いの患者さんを担当したので、その経験談をお伝えしようと思います。


前半はつらかった内容を、後半では体験からの気づきを話していきます。


ちなみに、コロナ疑いの患者さんは5回ほど担当しました。幸運なことに、その中で陽性はいませんでした。
酸素投与だけの軽症患者さんから、挿管されている重症患者さんまで担当しました。

※「コロナ疑い」の意味は幅広いです。肺炎があり、コロナウイルス疑いの患者さんもいれば、緊急入院時に意識障害があり、本人から事情聴取できないため、コロナウイルス疑いとした患者さんもいます。

【体験談】看護師がコロナ「疑い」の患者さんを担当してつらかったこと8つ

辛かったことは以下です

①感染の恐怖
②家族が悲しんでいるのになにもできない
③PPE着脱のストレス
④N95マスクが苦しい
⑤イレギュラーな業務というストレス
⑥周囲のスタッフに頼みにくい
⑦他看護師の目が届きにくいことによる事故発生
⑧安易に家に帰れません

感染の恐怖

PPE(個人防護具)着用しているとはいえ、正直かなり怖いです。しっかり感染対策をしていても発症している看護師もいますし、「感染対策=絶対に防げる」ではありません。


もうひとつ怖いのはすぐに結果がでないことです。
業務が終わっても、結局陽性だったのか陰性だったのか、という恐怖が家でも続きました。

家族が悲しんでいるのをそばで見守ることしかできない

院内は原則面会禁止ですが、緊急入院は例外です。家族はマスク着用・手指消毒した上で面会可でした(もちろん、体温や風邪症状ないかも確認)。


通常の入院でしたら、家族は部屋に入れます。しかし、感染症扱いのため、面会は個室の外からしかできません。
患者さんと家族はドア越しに手を振り合うのみ。お互いの声もよく聞こえません。患者さんの病状によっては泣いている家族もいました。


「面会できなくてごめんなさい」


僕はもうこれしか言えませんでした。


「そうですもんね、わかっています」

という家族の返答がさらに僕の胸を締め付けます。
家族と患者さんを本当は会わせたい。でもできないその現実をそばで見るのが辛かったです。

PPE着脱のストレス

PPEの着脱も順番があります。

着るとき

手指消毒⇒ガウン着る⇒N95マスクにつけかえる⇒ゴーグル・キャップつける⇒手指消毒⇒手袋

脱ぐとき

手袋とる・ガウン脱ぐ⇒手指消毒をしてから部屋を出て前室へ⇒手指消毒⇒手袋つけてる⇒キャップ・ゴーグルとる⇒N95マスクとる⇒手指消毒⇒サージカルマスクつける(N95とサージカルマスクは1日使い続ける)

 

この工程が非常に時間がかかります。
別に軽症患者さんならいいんですよ。けど、入院時とか重症患者さんの場合、たくさんの点滴作成・頻回な採血・数分ごとのアラーム対応・家族対応があり、かなりの頻度で着脱を行うことになる。
思うように次の仕事に進まないことがかなりストレスになります。


夜間にコロナ疑いの患者さん2名の入院を受け入れた時には16時間夜勤でとれた休憩は20分の夕食のみ。
あとはすべて立ちっぱなしでした。

イレギュラーな業務というストレス

未知の感染症に対応するのは看護師人生で初めてです。
業務の仕方が通常とはかなり異なりますし、多くのとまどいを感じます。
「これってこれでいいのか?」という疑問を感じたり、設備面での不満を覚えたり・・・。
業務の間に確認作業もその分増えました。
とまどいを感じるということが精神的に非常に良くないです。

N95マスクが苦しい

付けた感触は普通のマスクかと思いきやこれがかなり苦しいです。

普通に呼吸をしながら業務をしているだけで息が上がってきます。苦しいですし、不快です。
そして、マスクのゴム部分が本当にゴムです!
耳にかけるのではなく、頭からかぶるタイプなので髪の毛に引っかかって痛いので、それにも少しイラっとします。

アラームや患者さんの要求に対応しようと急いでいる時にはなおさらこの少しの痛みがストレスになってしまいます。

周囲のスタッフに頼みにくい

基本的に、感染症の患者さんを担当する看護師は、その患者さん固定になります。つまり、他の患者さんのところに行ってはいけない。逆もそうで、他のスタッフは感染症のエリアに原則近寄ってはいけません。


これがなにを意味するのかというと、なにか手を貸して欲しい時も基本一人でやります。
人工呼吸器を装着してる患者さんの体位変換も無理しない程度に1人でやっていました。


軽症の患者さんなら1人でもいいんですよ。
ですが先ほど述べた、入院時や重症患者さんを受け持っているときはやることが多いです。やることが多いと、その分PPE着脱回数が激増します。

すべて1人でやるのでもちろん終わらないです。でも、業務を終わらせることばかり考えていると患者さんの観察や対応がおろそかになり、気づいたら状態が悪化している可能性があります。
つまり、「業務と観察のどちらを優先すべきか」というその場その場の判断に疲れます。

他看護師の目が届きにくいことによる事故発生

僕が働いている病棟は急遽、出入り口に近い個室をコロナ患者さん用の部屋にしました。とはいえ陰圧室ではなく、普通の個室にPPE着脱用の前室を簡易的につくったものです。


前室の周囲には壁があり、個室の様子がまるで見えません。
つまり、普段はチームで観察しているから患者さんのちょっとした様子の変化にも気づけるのに、1人でみているようなものなので、担当が離れた時には本当にだれもみていない状態です。


そんな状況で自己抜管されてしまいました。
ちなみに鎮静もしていたし、抑制もしていました。
咳嗽がある程度でほとんど体動はなかったのに・・・
仕事に対するあきらめなど負の感情しか生まれませんでした。

安易に家に帰れません

勤務が終わったあともコロナ恐怖は続きます。

「家族がいる人はどうすればいい?」
「仮にコロナ疑いの患者さんが陽性だったとして自分が感染していたら家族はどうするの?」

家族が感染してから後悔しても遅いので、僕は妻を実家に帰省させました(緊急事態宣言が出る前の話です)。
そして、妻は今も帰省中です。
もう少しコロナウイルスが落ち着くまで様子見でしょう。


つらいことはたくさんありました。そして、そこから見えてくることもあります。

コロナウイルスにより看護師の在り方を考えさせられる

色々と考えさせられました。

やはりそれなりの対価は必要です

「お金」という対価をしっかり払うべきです。いきなり汚い話しですみません。


理由としては、感染リスクだけでなく、心身的な疲労があまりにも大きいからです。
そして、看護師はボランティアではありません。もちろん「患者さんのために働きたい」「患者さんが元気になれるよう看護したい」という気持ちはどの看護師もみんなあります。ですが、それは給料という対価があるから想い続けていられるのです。その対価が見合っていないと、どんなに仕事に対して熱があっても疲労には負けます。


正直、看護師は普段でさえ業務中に心身的なダメージは大きいです。他看護師や医師との人間関係、重労働、夜勤、状態不安定な患者さんの対応・・・。日々神経をすり減らしています。


「こんなにつらい思いをして働いたのに手当が出ないんじゃ、年収が100万減ってもいいから、もう少し気持ちに余裕のある仕事のほうがいいかな・・・」
こう思う方は多いでしょう。

今年で現場を離れる看護師は多いのでは

ということで、おそらく3月で現場を離れる看護師は多いのではないでしょうか。


ちなみに、看護師の離職率は約11%だそうです。
転職理由の中には、勤務環境や、人間関係もあります。
(これらは看護roo!より)


ちなみに、日本の離職率の平均は15%らしいです。
意外にも、日本の平均よりは低いんですね。


ですが、「看護師への待遇」を今一度見直さないと、離職はみるみる進みそうです。

働き方はたくさんある【人生看護師だけではない】

僕は看護師です。この仕事ができることを誇りに思いますし、プライドも持っています。でも、看護師だけが僕の人生ではありません。


少し前からの副業ブームも重なり、看護師だけど違う働き方をしたり、あるいは全く別の仕事に転職をする方もいるのではないでしょうか?


僕もその1人を目指しています。看護師を今後続けていくことのメリットが見えなくなりつつあります。看護師を続けるにしても、働き方をもう少し考えたい。
なにか違う人生を見出すために、ゆっくりとブログを書いています。


もちろん看護師という仕事は大好きですよ!これからも可能な限り、「患者さんのためとは?」を自問自答しつつ頑張っていきます。


そして最後に。実際にPCR陽性の患者さんを担当している看護師さんも世の中にたくさんいます。
その方々は、もっと多くのつらい体験をしているのでは、と思います。
本当にお疲れ様です。



では。

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