看護業務

従量式と従圧式の違いについて

人工呼吸器初学者向けに、まとめ記事を作成しています。
☛初めての人工呼吸器【勉強することのまとめ】


その中で今回は、「人工呼吸器のモードについて【従量式と従圧式】」というテーマで話していきます。

従量式と従圧式がわからない看護師
「従量式と従圧式の違いがわからなくて先輩に怒られちゃったよ~。双子の肺くん、教えて~泣」

双子の肺くん
「はーい!!任せて~!」

従量式と従圧式の違いについて

まずは答えを簡単に言うね!

従量式とは「量を規定して換気を行う方式」のことで
従圧式とは「最高気道内圧を規定して換気を行う方式」のこと。

つまり、量を中心として換気するのか圧を中心として換気するかの違い
そして、それぞれ観察する項目が異なるよ!

詳しく教えてください♪

従量式

従量式のことを、「量を規定」といったね。
量ってのは1回換気量のことだよ!
1回換気量を設定すると、その換気量は保証されるの。

たとえば、どういうかんじになるの?

1回換気量の設定を500mlに設定したとする。
すると、500mlの換気量が保証されるよ!

なるほど・・・。

突然だけど、ここで1つクイズ!!
肺のモデルが2つあるとする。
1つは正常な肺、もう1つは硬い肺。
同じ換気量を入れる場合、どちらの肺により高い圧が
かかると思う?

うーん、硬い肺かな?
広げるためにより大きな力が必要そう・・・。

そう!その通りだよ!
同じ換気量を送る場合、広げるためには硬い肺のほうがより力が必要。
その力が肺にかかるから、硬い肺のほうが最高気道内圧が高くなるよ!

そうなのね!!
でも、最高気道内圧が高くなると・・・うーん。

シンプルに考えてもらえばいいよ。
肺の内側からより強い圧がかかるとどうなると思う?

もしかして肺が損傷する?!

そういうこと!
なので従量式の場合、換気量は保証できるけど、患者さんの肺の状態によっては気道内圧が高くなることがあるんだ。
そうするとさっき言ってくれたように、肺損傷のリスクがあるよ。
他にも、気道分泌物が多かったり、自発呼吸との同調性が悪いと気道内圧が高くなるから注意だね!

そしたらどんな観察をすればいいの??

まずは、アラームの確認だね!
気道内圧上限アラームがいくつで鳴るのかを確認しよう。
あとは、気道内分泌物が溜まっていないか。人工呼吸器との
同調性はどうかの観察だね

従圧式

一方、従圧式は「圧を規定」して換気する方式だよ。
あらかじめ吸気圧を設定することで、その圧による換気量を得られるよ!

えーと、たとえばどういう感じ??

たとえば、吸気圧を15cmH2Oに設定したとする。
すると、人工呼吸器からガスが肺に一気に送られて、気道内圧を設定圧まで上昇させるよ。
設定した吸気時間内だけその圧を維持して呼気に入る。
なので、圧に合わせて送気するので1回換気量は保証されないところがポイントだよ!

なるほど!
そしたら従圧式の場合は、1回換気量がきちんととれているかを観察する必要があるのね!!

そのとおり!

あれ?
でも1回換気量って、どれくらいとれていれば正常なの
正常値ってあるのかな?

いい質問だね!
1回換気量は人によって異なるよ!体格が違うからね!
一般的に成人の場合、8-10ml/kgと言われているよ。
たとえば50kgの成人であれば、1回換気量は400-500ml。60kgであれば480-600ml。
なので、従圧式の場合は体重ぶんの換気量がとれているかを確認しよう!

でも、換気量だけではその人に適切かどうかの正確な評価はできないので、SpO2だったり、血液ガスも合わせて確認しよう!

あ!あともう1つ!!
さっき従量式の説明の時に、硬い肺を広げるにはより大きな力が必要って言っていたよね??

うん、言ったよ!

従圧式で気道内圧は抑えたいけど肺が固くて広がりにくい人ってどうなるの??
なんて言うんだろう・・・

お!またまた良い質問だね!
硬い肺の場合、設定圧で換気しても果たして換気量をかせげるのか、というところだよね?
答えは換気量がかなり少なくなる場合がある!

肺が硬い人(肺コンプライアンスが低い)は肺が広がりにくいし、広げるにも高い圧が必要。
なので、従圧式で最高圧を低くし肺損傷のリスクを避けたいけど、換気量が保てない場合がある。ジレンマだね。

そういうときは換気量をかせぐために仕方なく従量式にする場合もある。
どちらにせよ、そういう場合は医師への報告と方向性の確認が必要だよ!

keyword:肺コンプライアンス
コンプライアンスとは肺・胸郭の広がりやすさを示す。
「コンプライアンスが高い」とは膨らみやすい肺ということを意味する。

肺に優しいのはどちらか

話は変わるけど、従量式と従圧式ってどっちが肺にとって優しいと思う?

え?突然聞かれても、、、(そもそも肺にとって優しいってなによ)

じゃあ、言い方を変えるね!どちらが肺の圧損傷を防ぐことができると思う?

うーん、わからないわ

答えは従圧式!
従圧式は最高気道内圧を設定できると言ったよね?
決めた圧以上にはならないから、肺損傷のリスクが低くなるよ。
ちなみに、従量式と従圧式で同じ換気量を目指した場合、最高気道内圧は従圧式のほうが低い、と言われているの。
このことからも、従圧式のほうが肺に余計な圧をかけずに済むよ!

へぇ~そうなんだぁ。

ちなみに、これは余談だけど。
従圧式でもう少し換気量を増やしたいっていう場合には、吸気時間を伸ばせば換気量も増えるよ!
つまり、圧を高く設定しなくても、吸気時間を伸ばせば、1回換気量も増えるの!

従量式と従圧式の違いまとめ

最後に違いをまとめていくよ。

換気方式 規定 メリット デメリット 観察項目
従量式 ・1回換気量が保証されている ・気道内圧上昇により肺損傷のリスクがある ・最高気道内圧
・呼吸器との同調性
・設定量が入っているか
従圧式 ・従量式に比べ、肺損傷のリスクが低い
・不均等換気の是正
・1回換気量は保証されない
・患者自身の肺コンプライアンスに影響される
・1回換気量

双子の肺くん!
今日もありがとうございました♪

またわからないことがあればいつでも来るよ♪
次回をお楽しみに~!


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