業務

「問題ない」とはなにか?報告ができない看護師に伝えたいこと【学生・新人向け】

以下のような悩みをもった新人看護師さんはいますか?

新人看護師
「ラウンドしたあとの報告ができない」
「患者さん落ち着いてて問題なさそうだけど、先輩になんて報告したらいいの?」

こういった悩みに答えていきたいと思います。

正直、報告の仕方は、参考書に載っていますし、ネットでも「看護師 報告」とかググればすぐに出てきます。

その中では「I-SBAR」を使え、なんて事例とともに書いてあります。

大変勉強になりますし、急変時や状態変化時の報告には十分使えます。

しかし、状態が安定している患者さんの報告ではあまり使えません。

新人の頃に受け持たされる患者さんは、たいてい状態変化の少ない落ち着いた患者さんです(特に病棟では)。

そういう患者さんの報告、みなさんも困りませんでしたか?

「なんとなく問題なさそうだけど、その理由をどう報告したらいいかわかんない」という方もいらっしゃいますよね?

「問題がない」という報告は新人にとっては結構難しいと思います。

平常時の報告、問題ない場合の報告をどうしたらいいかについて話していきます。

この記事を読むことによって

・「問題がない」ということを根拠を持って言えるようになります

・結果、定時ラウンド後の「先輩への報告」という精神的に辛いイベントに対して心に少し余裕ができる

僕は今年で看護師8年目を迎えました。
自身が1年目のときに、報告で何度も怒られた経験があります。

後輩をもつようになってからも「大丈夫そうです」と一言だけ言われた時に数々の疑問をもった経験があります。

今回の記事の内容は、報告に悩んでいる方にとっては有益な情報なのではないかと思います。




「問題ない」とはなにか?報告ができない看護師に伝えたいこと

「問題ない」「変わりない」ってなにを根拠にしていますか?

患者さんをみたときに「問題なさそう」と思ったら、必ず自分の中で「なぜ?」と考えるようにしてください。

理由は、「問題なさそう」だとあくまであなたの感覚。
その根拠をしっかり言えないと、「問題ない」とは言えないからです。

「問題ない」という理由付けをする意識を日頃からできないと、元気だった患者さんのちょっとした状態変化にも気づけない可能性があります。

具体例:「急性期を脱した患者さん。ラウンドに行くと、コミュニケーションもスムーズ、ADLも自立している。」

新人の頃は、このような患者さんを結構受け持ったりすると思います。

ぱっと見、問題なさそうとみなさん思いますよね?

そう考える理由はなんですか?

こういうことを普段から意識して考える必要があります。

新人看護師
「え?話もできるし歩いているし大丈夫じゃないの?
どういうふうに考えればいいの?」

次に続きます。

「問題ない」という報告ができる看護師になるために

「呼吸」「循環」「意識」の視点で観察する

患者さんを観察するときには、「呼吸」「循環」「意識・神経」という3つのカテゴリーに大きく分けると観察しやすいです。

各項目の主な観察内容はこのようになります。

呼吸

速さ、深さ、回数、呼吸様式、単純に苦しそうかどうか、SpO2

循環

HR、血圧、冷感、冷や汗、チアノーゼ

 

意識・神経

意識レベル、四肢の動き、必要時瞳孔所見

バイタルサインをとりつつ、自分の頭の中で「呼吸は大丈夫か?循環は大丈夫か?神経学的所見は大丈夫か?」と考えていきます。

得た情報は必ず経時的に見る

新人さんで多いのが

新人看護師
新人看護師

血圧150台です。血圧の基準値を超えているので異常だと思います。

確かに血圧150mmHgという数字は、一般的な基準値を超えていると思います。

ですが、ちょっと待ってください。
一度、経過表で血圧を経時的にみてください。

もし、普段から血圧150mmHg台であれば、その人にとって150mmHgという血圧は「正常」であったりします。

え?どういうこと?
教科書で基準値をみると150mmHgは高いと思うけど・・・

普段から血圧150mmHgの人は、長期間その血圧であるため、体が慣れていることが多いです。

そのため、無理に血圧を是正しようとすると、循環血液量が減って尿量が少なくなったりと逆に悪影響が出てくることがあります。

つまり、一般的には異常値であっても、「その患者さん」にとっては150mmHgという血圧は正常値ということです!

ここが新人さんには理解が難しい「個別性」でもあると思います。

原因とそれが及ぼす影響について考える

ここからはステップアップの話し。

「いつも150mmHg台だから良いんじゃない?」
「じゃあ、血圧は多少高くても様子みちゃえばいいんだね!」

決してそういうわけではありません。

大事なことは、この「150mmHg」という数字がなにを意味するかです。

言い換えると、なんでこの人の血圧は150mmHgなのか?ということです。

血圧は、一回心拍出量×末梢血管抵抗で表せます。

このうち、どれに影響があり150mmHgなのか?

心拍出量・末梢血管抵抗が上がる要因はたくさんあります。

廊下を歩いてきてそのあとに測ったからなのか、交感神経が亢進(緊張とか)しているのか、既往歴に高血圧があり、もともと血管が硬いのか。

数字には必ず意味があり、ひとつひとつ分解していくと必ず理由が見えてきます。

そして、次にその150mmHgという血圧がどういう影響を及ぼす可能性があるかを考えます。

基本的に、現疾患や既往歴をもとに考えます。

たとえば、既往歴に未治療の腹部大動脈瘤や、脳動脈瘤があれば血圧が高くなりすぎないか注意が必要です。


話は難しくなってしまいましたが、ここで言いたいことは以下の2点でした。

・観察したデータは常に過去と比較する
・データや身体所見には必ず理由がある

「問題ない」という報告はこうすればOK

先ほどの具体例を挙げます。

具体例:「急性期を脱した患者さん。コミュニケーションもスムーズ、ADLも自立。」

この患者さんを「問題ない」と説明していきます。

その前に、患者さんを観察します


「呼吸」
深さ:深くも浅くもない
回数:14回
呼吸状態:平静、苦しそうな表情なし、会話もできており気道狭窄なし。副雑音なし

「循環」
皮膚:冷感、冷汗なし、チアノーゼなし。
HR75、血圧は150台だが、既往歴に特記事項なし。医師の指示では血圧180以上でドクターコール、経時的にみても大きな変化はない。橈骨動脈を触れ、リズム不整なし。
排尿:1日6回
  
「意識」
意識レベル:清明、コミュニケーションできている
廊下を歩いており、四肢の動作に問題なし


これらの情報をもとに報告します。

新人看護師
新人看護師

「Aさんの報告をします。
HR75、血圧150台です。血圧は数字としては少し高いですが、普段の数値や医師の指示から逸脱ありません。チアノーゼや末梢冷感はなく、排尿も6回ありました。循環動態は問題ないと思います。
呼吸状態は平静で回数は14回。会話中に喘鳴はなく、SpO99%であったため、呼吸状態も問題ありません。
会話可能で意識清明、普段と変わらず、自身の身の回りのことをされていたので、神経学的所見もかわりありません。
なので、Aさんに異常はありませんでした。

たぶん受け持ちの患者さんを全員こんな感じで報告していたら、先輩からはタイミングの早い頷きに加え「もういいよ」と言われそうですが・・・笑

さすがに、何日も同じ患者さんを受け持っていたらそこまで細かい報告はいらないと思います。

ただ、この記事を通して言いたいことは、「変わりないです」の一言ではフォローの先輩も納得しません。
「ちゃんと観察できている?アセスメントはどうなってる?」と不信感もいだきます。

変わりないとしてもせめて一言、「バイタルサインは・・・で経時的に見ても変わりありません」などはあったほうがいいかもしれません。

あとは、朝の申し送りで患者さんに特記事項があれば、それも必ず報告しましょう!

以上が今回の記事になります。

参考になれば幸いです。

では!(^O^)

Follow me!

-業務

© 2021 メナブロ Powered by AFFINGER5